高気密高断熱住宅のライフラインはオール電化?ガス併用?

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生活に必要なライフラインには、ガス、電気、水道があります。この中で、住宅設備と密接に関係するのがガスと水道です。

これまでの住宅では、コンロやお風呂はガス、それ以外は電気という分け方が一般的でした。

一方、近年は「オール電化」という言葉をよく聞くようになりました。オール電化とは、「すべてのライフラインを電気にする方法」で、ガスコンロをIHコンロへ、ガス給湯器をエコキュート(エアコンのような仕組みでお湯を沸かす方法)などへ置き換えることによって、次のようなメリットがあると考えられ、オール電化住宅は右肩上がりで増えていました。

  • ガス代がかからない。基本料金が節約できる
  • 深夜電力を利用することで、電気代が節約できる
  • 災害時にガスや水道と比べると復旧がもっとも早い
  • 災害時にエコキュートに貯めた水やお湯を生活用の水として利用できる
  • ガスよりも火災や爆発などに対する安全性が高い
  • ガスコンロよりもIHヒーターのほうが、手入れが楽
  • 室内の空気が汚れない

しかしながら、東日本大震災以降、電力会社の営業自粛によりオール電化の戸数は前年度比に比べるとマイナスとなりました。また、震災前に比べると電気代も上昇しています。

株式会社富士経済が調査したオール電化住宅と創エネ住宅の動向では、電力消費特性からみた家庭分野の電力小売顧客ターゲットを調査しています。このレポートによれば……

東日本大震災以降、既存電力会社の営業自粛によりオール電化戸数は前年度比マイナス推移となっている。2015年度も前年度より4万戸減となる30万戸となり、エリア別にみると電化営業再開によって沖縄エリアは増加したが、その他のエリアは軒並み減少した。また、既築住宅市場は再生可能エネルギーの固定価格買取制度の買取価格低下により、従来太陽光発電システムとセットで提案されていた電化リフォームが減少していることから縮小した。

出典:オール電化住宅と創エネ住宅の動向 | 株式会社富士経済

また、世界的な環境問題が深刻になる中、今後の新築住宅は高気密高断熱住宅(省エネ住宅)が新築基準に加わります。これまでの住宅と比べると、住宅設備や住まい方にも気を付けるべき点が出てきました

このような、状況が変化している現状の中で、これからの住宅設備を考えるとき、オール電化がベストな選択なのでしょうか。それとも、ガス併用がいいのでしょうか。

そこで、この記事では、高気密高断熱住宅におけるライフラインについて取り上げます。

高気密高断熱住宅はオール電化?ガス併用?

結論から申し上げますと、高気密高断熱住宅におけるライフラインは、オール電化をお勧めします。その理由は次の3つです。前出のメリットに加えて、特に重要なポイントについて見ていきます。

光熱費が安い

東日本大震災後、電気料金が上がりました。それでも現状、ガス併用よりも深夜電力+エコキュートのほうが、全体の光熱費は安いです。

こちらは個人の方のブログですが、新築時にオール電化か、ガス併用かを比較されたデータがあります。

もし、今後の電気料金の高騰が気になる場合は、太陽光発電も検討の候補に入れてみてはいかがでしょうか。現在、国では、ゼロエネルギーハウス(創り出すエネルギーと消費するエネルギーのトータルがプラスになる住宅)や省エネ住宅を推進していますので、補助金が活用できる可能性があります。

高気密高断熱住宅の特性にはオール電化のほうが合っている

気密性の高い高気密高断熱住宅では、室内の空気をきれいな状態に保つよう、24時間計画的に空気を入れ換えていますが、ガス製品は燃焼時に多くの酸素を必要とするため、強制換気しないと酸欠や一酸化炭素中毒の恐れがあります。

また、ガスが燃焼するとき、ガスに含まれている水素と酸素が反応し、排ガスとして水蒸気が発生します。経済産業省の「LPガスの基礎知識」の中に、次のような記述があります。

LPガスが完全燃焼すると炭酸ガスと水が生成されます。

化学式に表すとC3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2Oです。 1Lのプロパンが完全燃焼するには、5Lの酸素(空気換算すると24L、実際にはさらに多くの空気が必要)が必要で、3LのCO2と4Lの水蒸気を生成します。空気量が不足すると不完全燃焼が起こり、CO(一酸化炭素)やススなどが発生します。

出典:LPガスの基礎知識 | 経済産業省

水蒸気は、結露の原因になる場合があるため、家の性能を保つためには、できるだけ避けたいところです。

災害に強い

近年、自然災害が多く発生しています。

もっとも、あくまでも非常時の話であり、そこまで考慮しなくてもいいのかもしれませんが、電気は、ガスや水道と比べてライフラインの復旧がもっとも早いことも、頭の片隅に入れておきたいところです。備えあれば憂いなし。何かあったときの安心感が違います。

エコキュートには、ドラム缶2本分ぐらいの水が入っています。万が一の場合の飲料水や生活用水として使うことができるのは心強いですよね。

なお、オール電化に対して、「ガスも併用したほうが、停電など軽い非常時には安心できるのではないか」という声もあります。オール電化で心配な場合は、非常時に備えてカセットコンロの準備をおすすめしています。

オール電化の今後の見込み

今後、社会全体ではオール電化はどのような推移を見せていくのでしょうか。

また、前出の株式会社富士経済が調査したオール電化住宅と創エネ住宅の動向では、今後の見込みを次のように予想しています。

電力小売全面自由化を契機に営業自粛を続けていた一部既存電力会社は電化営業を本格的に再開する。また、2016年度は消費税増税前の駆け込みにより着工や大型リフォーム案件増が期待できる上、一部既存電力会社の現行の電化プランが2016年秋頃を目処に新規加入停止となることから駆け込み需要が発生し、電化率の回復が期待される。今後、新築着工戸数減少により大幅な伸びは期待し難いものの、電化率は徐々に上昇するとみられる。

出典:オール電化住宅と創エネ住宅の動向 | 株式会社富士経済

まとめ

高気密高断熱住宅におけるライフラインについて見てきました。

オール電化とガス併用の比較は、光熱費で行われることが一般的です。一方、高気密高断熱住宅のライフラインとして考えるときは、月々のお金の面だけではなく、「住宅の性能をベストな状態に保つこと」や、「災害時の対応」など、長い目で考えることも大切です。

これらを総合的に踏まえると「オール電化がベストな選択である」と、丸山工務店では考えています。

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